最大のテーマは「調和」でした。

サンライズ水墨公園の計画地は神通川の川辺に面し、富山市内が一望でき、その街並み越しに雄大な立山連峰が望めるという場所にあります。 また、この地区は道路の拡幅計画が決定しており、新しい街に変貌を遂げようとしています。この恵まれた自然と、新しい街づくりの中での調和をどうやって今回の計画の中に取り込むかが、最大のテーマとなりました。

サンライズ水墨公園の敷地は南北に長めの台形の形状をしています。 通常マンションを計画するにあたっては日当たりの関係上、南面に長いフロンテージを確保することがポイントとなります。今回の計画においては当初、南面を重視した、南東に向けたL型プラン、現状の全ての住戸から立山連峰と神通川が望める東向きプランの2つのプランから計画をスタートさせました。

L型プラン初期スケッチ 東面プランケッチ L型プランにおいては、南東角を8階として、階段状にセットバックすることにより容積を確保することが可能となりますが、4階部分が北側敷地境界、西側道路境界に近くなり周囲に圧迫感を与えることが気になりました。

一方、現在の東面プランにおいては、面積がL型に比べると小さく、14階建としても、容積の充足率は5%ほど低くなりますが、敷地いっぱいに広がる段状のL型プランよりすっきりした建物形状であること。そしてなにより建物周辺にオープンスペースが十分に確保でき、周囲に与える圧迫感はL型プランに比べ少ないことなどから、将来の新しい街のシンボルとして、また周辺環境への影響を極力低く抑える点からもふさわしいと考え、東面プランに決定しました。

マンションであることを感じさせない、室内空間と眺望を存分に楽しめる広大なバルコニー、まるで「一戸建てのようなマンション」を目指しました。

住戸計画においても「やすらぎ」と「ゆとり」という設計コンセプトは生かされています。
基準階(2〜12階)の住戸構成は2LDK,3LDKの4戸とし、いずれもゆとりのある面積を確保しています。
当然、立山連峰、神通川の見渡せる広めのLDを東向きのバルコニー面に配置するとともに、逆梁方式を採用しました。

逆梁方式とは通常、天井面にある梁構造を床面に持ってくることで高い断熱効果と天井の空間スペースを生かすことが出来ます。天井面までの開放感のある高さのあるサッシを設け、バルコニーと一体となる空間構成を可能としています。

また、浴室、台所等の水周り関係の部屋もゆとりをもたせています。
日常使われる部屋ですので、使いやすい、住む人の好みに対応できる、バリエーションを確保しました。生活スタイルの多様化により、マンションの部屋構成もフレキシブル性(自由性)が求められています。
今回の計画においても、広めのリビングを可動間仕切りにより、個室化できるプランとしたり、奇数階と遇数階に分けて同じタイプの住戸でもリビング周りの構成を変える等、その対応に応えました。
13、14階は1フロア2個の住戸構成とし、4LDKの間取りと、庭感覚の広めのバルコニーを確保し、市街地でありながら、一戸建て感覚の住戸を設けました。
住む人の好みにより自由に自然を満喫しながら、充実したライフスタイルを満足させる住戸構成としています。

主な久米設計の実績
オーバードホール
ありそドーム
富山健康パーク
恵比寿ガーデンプレイス
大和ミュージアム

【久米設計プロフィール】

創業者、久米権九郎はイギリス、ドイツで建築を学び、1932年(昭和7年)「久米建築事務所」を開設。
以来、「社会に奉仕貢献することこそ建築家の責務である」を伝統として戦前、戦後を通し日本の近代建築の先駆けとして様々な建築を行っています。
また日本はもとより、海外においてもその実績は高く評価されています。
富山県では総合文化施設である富山市の「オーバードホール」、健康施設「富山健康パーク」、スポーツと産業の多目的施設、魚津市の「ありそドーム」などの建築にも携わり、日本を代表する建築設計グループです。

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